東京都足立区で2017年4月7日に、離乳食としてはちみつを食べた生後6か月の赤ちゃんが「乳児ボツリヌス症」で亡くなるということがありました。
国内で発症が確認されたのは36例目で、亡くなったのは初めてということです。
同じ母親としてこういった事故については多くの方に注意していただきたいので、今日は乳児ボツリヌス症についてまとめてみました。
目次
【国内初の乳児ボツリヌス症で生後6か月の赤ちゃんが亡くなる事件】
東京都足立区にて離乳食にはちみつを与えられた生後6か月の男児が亡くなるという痛ましいニュースがありました。
国内で乳児ボツリヌス症で亡くなったのは初めてだということで、本当に残念です。
赤ちゃんは今年の1月から、ジュースに市販のはちみつを混ぜたものを1日平均2回ほど接種していたそうで、2月16日に咳などの症状があったため病院に搬送されましたが、3月30日に亡くなってしまったということです。
ボツリヌス菌というのははちみつに含まれていることがあるため、1歳未満の赤ちゃんには与えてはいけないと言われていますが、ご家族はこのことをご存知ではなかったのでしょうか。
しかし、大々的に「絶対にあげてはいけない!危険!」と誰もが念を押されて言われているわけではないと思うので、実際知らない人がいるというのも事実です。
この件を受けて、東京都は「はちみつは1歳未満に与えないように!」と呼び掛けているそうですが、きちんとそいういった知識をお母さんやご家族に知っていただくための対策もしていただきたいですね。
【なぜ赤ちゃんにはちみつはダメなの?】
乳児ボツリヌス症とは、1歳未満の赤ちゃんがボツリヌス菌の種(芽胞)のようなものを食品を通して体内に入れることにより重症化する感染症です。
この種のようなものが赤ちゃんの腸内に入ってしまうと、増殖して毒をを出すことでボツリヌス症の症状が引き起こされてしまいます。
ボツリヌス菌というのは川や海などにも存在し、市販のはちみつにも5%程度の割合で含まれているそうです。
腸内の細菌が十分にあれば摂取しても菌は発芽せずに毒素をだすことも少ないのですが、1歳未満の赤ちゃんは腸内の細菌が少ないために発芽し、毒素を出しやすいのです。
主な原因食品ははちみつであり、コーンシロップにもボツリヌス菌が含まれている可能性があります。
ボツリヌス菌の種は大人が食べても害があるわけではないのですが、1歳未満の赤ちゃんは消化器官が未熟であり、腸内環境も整っていないのでボツリヌス菌の種でも発芽・増殖してしまうのです。
【乳児ボツリヌス症の症状や治療法とは?】
乳児ボツリヌス症になった赤ちゃんの90%が、まず最初に5日以上便秘になります。
そして母乳やミルクを飲む力が弱くなり、泣き声も小さくなります。
顔の表情も無表情になり、体の筋肉も弱り頭を支えられなくなったり、手足を持ち上げることもできなくなってきます。
さらに重症化すると、呼吸困難や呼吸停止に陥ることあがあります。
症状に心当たりがある場合には、早急に医師の診断を受けるようにしてください!
治療法としては、呼吸管理や栄養補給で症状を緩和させるといった治療法になります。
病院できちんと治療を受けることにより、後遺症などが残らず完治することがほとんどということです。
【いつからはちみつを与えても大丈夫なの?】
1歳未満はダメというけれど、じゃあ1歳過ぎたらすぐ大丈夫なの?とはっきりしたことがわからないと怖いですよね?
実際私も怖くて2歳を過ぎるまではあげたことがありませんでした。
乳児ボツリヌス症を発症しやすい時期というのは、生が3週間から6か月と言われています。
そのため厚生労働省の資料にも「はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため満1歳までは使わない」と記載されています。
1歳になるころには腸内環境が整うので、多少のボツリヌス菌では発症することはなくなってきます。
しかし、やはり心配ということであれば医師に相談するといったことはしておいたほうがいいかもしれませんね。
他の食品でアレルギーなどがある場合には特にです。
1歳といっても大人と同じものをすべて食べられるようになるというわけではないですし、念のため1歳を過ぎて離乳食も完全に終わってからにしておいたほうが安全かもしれません。
また、体調が悪いときなども避けるようにし、いざ具合が悪くなったとしてもすぐに病院にいけるように日にちを考えて与えるようにしましょう。
しかし、無理に食べさせる必要もないかと思いますので、1歳すぎてすぐ食べさせよう!というのは個人的にはあまりおすすめできません。
体調やアレルギーを考慮し、食べさせる機会がきたときには満1歳を超えてからにするようにしましょう!
大事な赤ちゃんですので、お母さんは十分に気を付けてあげてくださいね。